薬の瓦版
薬の瓦版=平成27年2月23日= 第13号

以下、テキスト版です。

大田区薬剤師会        薬の瓦版            2015年(平成27年)2月23日(月曜日)     (ほぼ週刊)
発行:大田区薬剤師会
東京都大田区中央3−1−3
アルカディア中央1階
くすりの飲み過ぎ?
抗不安・睡眠薬の多剤大量処方について考える
 多剤大量処方とは、各種 類の薬が複数処方され、処 方量が多い処方のことであ り、多剤併用大量処方とも 言う。
 複数の薬剤使用の原因は 薬を多く投与することによ り効果が高くなるであろう という思い込みであり、そ のため、薬理学的な考慮の ない、危険性を無視した処 方となる。

たび重なる注意喚起
 2004年の日本精神神 経学会では、抗精神病薬の 単剤が望ましいにもかかわ らず、多剤大量処方が改善 されない現状について、言 及がなされた。
 2009年10月30日に は、日本うつ病学会が「S SRI/SNRIを中心と した抗うつ薬適正使用に関 する提言」において、大量 処方を避けるという一般的 な注意点を喚起している。
 2010年1月に、厚生 労働省自殺・うつ病等対策 プロジェクトチーム が発 足した。(同年)12月1日に は、日本うつ病学会、日本 臨床精神神経薬理学会、日 本生物学的精神医学会、日 本総合病院精神医学会の4 学会が合同で、「向精神薬 の適正使用と過量服用防止 のお願い」を公表し、向精 神薬を処方する医師に対し て、過量服薬の背景にある 不適切な多剤大量処方に注 意喚起を促している。
 2011年3月には、処 方実態に関する調査書が作 成され、11月に厚生労働省 から公表された。この取り 組みはゲートキーパー役が 期待される日本薬剤師会、 日本病院薬剤師会にも共有 された。
 『臨床精神薬理』誌にお いて、2011年12月号で は、精神科治療薬と自殺関 連事象に関する特集「薬物 と自殺関連事象、そしてそ の予防」を、『精神科治療 学』誌の2012年1月号 と2月号では「精神科医の 多剤併用・大量処方を考え る」という特集を組んだ。
 2014年には厚労省よ り「かかりつけ医のための BPSDに対応する向精神 薬使用ガイドライン」が公 表され、認知症への向精神 薬投与は最小限とするよう 勧告された。
精神科クリニックの立場から
外来診療における睡眠の重要性
BZ系睡眠剤の使用法について改めて考える
 精神科の外来診療におい て、患者に十分な睡眠をと ってもらうことの重要性は 今更言うまでもない。特に うつ病、躁うつ病、統合失 調症等の精神疾患の急性期 においては、自殺や精神的 混乱による不慮の事態を避 ける意味でも、まず十分な 睡眠を確保することが、精 神科外来におけるプライマ リーケアであることには異 論のないところであろう。
 しかし精神病の急性期に は必要であった睡眠薬が、 精神病の再発、反復、ある いは症状が遷延し慢性化す る中で、いつしか常用薬と して、継続処方され続ける 事態がしばしばみられるの も精神科外来の偽らざる状 況でもある。他人事ではな い。私自身の診療を振り返 ってもそのような状況はし ばしばある。
 それを受けてであろう か、平成26年4月の診療報 酬改定で、「適切な向精神 薬使用の推進」という名の もとに、抗不安薬、睡眠薬、 抗うつ薬及び抗精神病薬の 処方の適正化、つまりこれ らの薬剤を多剤併用した場 合に、一部の精神科専門療 法、処方箋料を減算する規 定が盛り込まれ、平成26年 10月から実施されることと なった。
 つつみクリニック院長
        堤 俊仁

認知症への取り組み事例
 神戸市は、平成27年1 月5日(月曜)より、西 区徘徊高齢者早期発見検 証事業・西区徘徊SOS ネット「みまもん」の登 録を開始することを発表 した。
 この事業では、事前に 登録された徘徊の恐れの ある人に、黄色の反射材 を使用したステッカーを 配布。靴の後ろや外出時 に身に着けるもの(シル バーカー・杖など)に貼 り付けることで、捜索時 の目印になる。同市では、 地域の支援で早期発見と 安全確保をすることが重 要であると指摘。また、 徘徊SOSメールによる 捜索協力者も募集中であ る。




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